次期ISO 9001は2015年に発行か?
規格の改訂作業に関する最新情報は以下です。着々と作業が進んでいることが分かる。
2012年2月に、ISO事務局の高位の規格構造と、すべてのISOマネジメントシステム規格に共通のテキストを決定する。
2011年9月6日までに、ISO国家標準化機関(NSB)は、合同技術調整グループ(JTCG)高位の規格構造(HLS)、一般的なテキストを定義し、それらが必須または柔軟性のある指針とするかどうかについて承認を与えるかについて投票が行われる。
9月19日&20、2011、ISO /技術管理評議会(TMB)はNSBの投票結果と委員会の対応に対して予備的なレビューのために会議を持つ予定。
JTCGが共通のテキストおよび定義についてのコメントに対処することを許可することだけは決めるが、実施の承認はしない。
2012年2月ISO / TMB会議:JTCG勧告の承認及び実施に関する最終的なISO / TMBの決定。
高位の規格構造(HLS)とは以下のことである。詳しいことはこの文書にある。さらに、JTCGによってこのような文書も作成されている。ぜひ参照されたい。このようにすでに骨格は決まっている。だが、内容はこれからの議論によって決まる。このブログで提示しているISO9000の内容は大きな議論を呼ぶ可能性がある。
以下は、古い情報なので、無視すること。不幸なことに、日本の関係機関からはなんらの情報も得られない。唯一見つかったのは、これ。規格の整合化の作業を開始したと報告されている。
この春の東京総会で次期ISO 9001の改訂が討議された。その議事録を転載した。このブログではこの改訂に関する情報を主に掲載することに使うことにした。まだまだ、先のことだから改訂作業は湯っくりだろう。だから、あまり投稿する記事はないと思う。それに、それまで生きているかどうかはわからない。ちなみに、この文面は、iPhoneから投稿した。
次期ISO9001 改正検討
(1)活動背景
昨年のセルビア会議で次期ISO9001 の改正検討を行うためのタスクグループを設置し、
東京会議から検討を開始することが決議された。
(2)活動内容及びアウトプット
・ 新しいISO9001 の改正作業を行うための予備的作業として、次期ISO9001 の
キーエリア及びキーコンセプトをブレインストーミングで抽出
・次期ISO9001 はどのようなコンセプトのもとに検討を行うか、また、次期改正への
可能なインプットには何があるかをレビュー
・ブレインストーミングの結果から親和図を作成し、更に、各コンセプトに対する
具体的な説明を検討
・東京会議の議論を基に、次期改正ISO9001 に関するレポートを作成
上記項目は、必ずしも次期ISO9001 の改正作業で対応すべき事項、
直接的なインプットとなるものではない。
(3)今後作業スケジュール
3 年間で、ISO9001 の改正に関する次の予備的作業を実施:
・次期ISO9001 改正に関するユーザーニーズ調査の計画及び実施
・次期ISO9001 改正に関するアイデア、コンセプトの継続検討
・ 次期ISO9001 改正の妥当性評価
・ISO/TC176 に対するISO9001 改正に関する推奨レポート
(Recommendation Report)の作成
(4)次期ISO9001 の改正スケジュール(案)
ISO/TMB/JTCG(ISO マネジメントシステム規格の整合性検討、以下JTCG)における
ISO マネジメントシステムの共通要素の明確化及び共通要素のテキスト作成と平行して、
ISO9001 に対する新しいアイデア及びコンセプトの検討、市場調査及び妥当性確認など
の予備的作業を行う。
JTCG のインプットを基に、プロジェクトの承認、規格の設計仕様書の作成・承認を経て起草作業を行う。この作業計画によると次期ISO9001 の改正版の発行は早くて2015 年となる。
Ouside the Box IV
システムの統合
個人ベースで事業のリスクと戦うことは今日ますます困難になってきている。たとえば、従業員の安全は、脆弱な環境整備やによって直接影響を受けているし、社会的および環境面でのインパクトの両者は愚かな統治によって増大されてしまう可能性がある。
調査によると、統合されたシステムはリスクをよりうまく管理する助けになると76%の回答者が信じている。彼らの上級経営者の三分の二は統合を実行するように要求している。統合へのこの言質が意味することは個人的なリスクを攻撃目標にすることの困難さである。一方、統合への動きは、一つのリスクに一つのプロセスで処置するやり方はもはやリスク管理に有効な対応ではないことの認識が広がっていることである。問題はだまそのまま残っていることは明らかである。もっとも警告的なことは、37%の回答者が述べていることで、自分たちの重大なリスクを処理するためのマネジメントシステムを有し実行できていないことである。
Outside the box III
事業業績の向上
マネジメントシステムの成果を評価することが難しいことはよく知られている。そのこともありこの調査の一つの目的は、マネジメントシステムの測定の基準が組織内でのより広い思考と実践にうまく関連づけられているかどうかをよく理解することであった。回答者の大多数は、業績の向上を測定することには強い意志を示している。組織の抱えるリスク要因や競争力の基盤に関しての潜在的な変化を見通すために測定を行っている人たちは、測定と評価に格段の努力を払って専念している。
回答者の半数を超える人たちは、システムのビジネスへの影響を測定することができると主張しているが、さらにより良い、より戦略的なメトリック(測定の基準)があればよいのにという願望を抱いている。さらに、回答者の三分の二は、リスク面でのシステムの影響を理解したいと述べている。70%の人たちは、仲間とオープンな形でお互いの比較を行いたいと言っている。
メトリック(測定の基準)がより戦略的になればなるほど、経営のリーダーにはより魅力的になることは明らかである。3 つの要素をそれぞれに通じて言えることは、同意回答者数が大幅に増加している。回答者の 20 %だけがシステムのビジネス 面への インパクトを測定することができると強く確信しているが、その一方で、25 %は、 継続的なリスク低減を評価したいとの強い希望を持ち、37 % は、システムの有効性を競争相手とベンチマークキングしたいという強い意思表示をしている。
Ouside the box II
レポートのクオリティ
この調査によると、財務に関わらないレポートは株主から高く評価されることもなく、有用で確固たるデータを作り出しているとは思われていないことを示唆している。事実、3社の中の1社は、最も重要なレポートとはビジネスリスクに関することだとしている。組織が優先順位を決定するための厳格かつ透明なプロセスを採用するに至までは、利害関係者が組織からのレポートには懐疑的であることは納得できる。それを物語るように、組織の三分の一は、依然としてここで言う”適切なプロセス”を欠いている。だから、組織からのレポートは依然として広報の手段として扱われ、実質的に何を行ったかを正直に打ち明けることの手段ではないことは明らかである。組織の三分の一は、彼らは良いニュースと悪いニュースを同等に扱って報告しないことを認めているのも事実であった。同じように、報告する方法をどの程度まで広げ、どのように深くレポートすればいいのかについてに組織は非常に不確かである。
新興国市場でのマネジメントシステム
この調査によって明らかになったことは、新興市場では倫理、環境および品質規格への認識が低いことが世間に広く認知されていることである。事実、回答者の半数以上が環境基準を守るということに関心が低いことに合意した。新興市場での認識不足については確かに何らかの影響がある。認証を取得しようとする需要が高くなっていることからもこの事実ははっきりしている。新興市場で連携しながら業務を行う企業を選択する際には、企業の65%が、強力なシステムの証拠として認証取得を要求している。
それにもかかわらず、認証を取得して”保証された”企業への依存は増えてはいるが、新興国で普及している認証基準に関して懸念している回答者がいる。41%の回答者は、新興市場での評価は、先進国におけるほど厳格ではないと信じている。
Outside the box
LRQA のIan Hodgskinsonが2007年に発表した論文であるが、現在でも通用する内容などで紹介したい。国際規格ISO9001が2015年に改訂されるが、この内容は改訂に対して多くの示唆が含まれている。IRCAが発行する「QualityWorld」に再掲載された原文を使って翻訳して行きたい。あまり必要ではないと判断した箇所があれば割愛する。なお、できるだけ原文を尊重するが意訳して内容を理解し易くした。
マネジメントシステムが大きく増殖していることを考えると、マネジメントシステムがどれほど有効に働いているのか、そしてどのような未来があるのかを考える時期に来ていることは明らかである。LRQAが行った新しい調査によれば、マネジメントシステムを批判的な目で再評価せざるを得ない。マネジメントシステムを単なる事業運営上のシステムや法令遵守の形態としてでなく、独自の権利で戦略的な事業規律としてどう何かという観点から評価している。この報告書は、マネジメントシステムをより広く解析を行っている。その結果、マネジメントシステムの専門家に対して、単に規格への適合性を達成することにだけに終止するのではなく、組織の変革を可能にさせるように組織内でもっと戦略的な役割を果たすよう促す挑戦状を突きつけている。
改善のための動機付け
この調査は、何よりもまず、組織がマネジメントシステムに投資するときに達成したいと具体的に期待しているものは何かをはっきりさせることに努めた。上級管理職の82%が引用した主な動機は、顧客満足度を向上させたいという欲求である。また、スコアが高かったのは評判であり、組織が利害関係者の好意に大きく依存しその高まりを反映している。
上級管理者がマネジメントシステムを業務改善の兵器工場の中核として認めていることは明らかである。それにもかかわらず、マネジメントシステムはまだ成長のためのエンジンとして見なされていない。回答者のわずか48%が、新たな市場へ参入する機会を得るためのツールとしてシステムを見ている。そして、33%は、新製品の市場投入時間を短縮するためのツールだとしてとらえている。
このように限定的な見解から言えることは、60パーセントだが、調査に参加した者の大半は、自分たちは株主価値を創造するために投資活動を行っていると語っているということに注目すべきだ。これはおそらく、マネジメントシステムの専門家が直面する最大の課題となろう。すなわち、上級管理職の期待と理解に答えるためには株主価値へ付与するマネジメントシステムを構築する必要性が高いということである。
システムの社会的役割
明らかなことだが、マネジメントシステムの影響は組織内部の課題を超えて拡張している。だから、この調査ではさらに次のことも調べた。すなわち、マネジメントシステムが外部にどの程度影響するのかについてシステム管理者が十分な自信を持っているかどうかを確かめようと努めた。
健康と安全および労働に関する規格を含めて、環境システムと社会的マネジメントシステム、両者に責任がある人たちによってこれら二つのマネジメントシステムは有効だと見なされている。しかしながら、非管理者組合と方針のように、既存の システム統制が実際には株主の利益を保護していると信じている回答者は 53 %と極めて少ないのだ。
マネジメントシステムが将来に対して大きく貢献できるようにする事業運用上の統治に関することであり、また同時にまだまだ深く探索されていない領域でもある。システムを稼働させるには組織の基礎構造の中にマネジメントシステムを埋め込み、さらに、価値観と原則を一貫させながら確実に活動することによって、マネジメントシステムの専門家は、株主責任と価値に対して劇的な違いを見せることができる。この調査報告書作成者は、静的なルールに基づいた ガバナンス(統治)ではなく、マネジメントシステムの専門家が探索しなければならない領域は動的なスタイルのガバナンスであると主張している。
品質マネジメントの原則ーその五
相互互恵関係
あらゆる組織は、戦略上の目標を達成するためには出資者たち、顧客、従業員、取引先、地域社会の助けを得ると共に、自ら担うリスクと引き換えに、相互互恵関係を育てる必要がある。
相互互恵関係の原則を適用する組織では、人々が次のような行動をとる。
- 組織を支えるという役割に関係なく、他の組織のニーズに対して相互的に尊重している。
- 品質に関して妥協をすることなく、供給者の要求を満たす能力に基づいて主要な取引先を明確にし、選択している。
- 健康、安全および自然環境を損なうことなく、品質要求を達成している。
- 組織や社会のための長期的な配慮を行うことと短期的な利得とをバランスさせる外部との関係を確立する。
- 透明性が高く開放的な内部ならびに外部とのコミュニケーションを創造している。
- 製品、サービスとプロセスの開発と改良作業を共同で行うことを始めている。
- 利害関係者のニーズの明確に理解することを共同で行っている。
- 今後の計画と情報を共有している。
- 供給者の改善活動や業績の内容を認知している。
- システムの成果を評価するときには、必要に応じて利害関係者のそれぞれと一緒に行っている。
保証
製品とサービスを生成し供給するためになされている提供面の誠実さに関する信頼性の必要度は、組織とその製品やサービスの複雑さに比例して増している。
保証プロセスは、次のように普遍的な一連のステップで構成されている。
- 目標がいかにして引き出されたか、その達成度がいかにして計画されたかを決定する。
- もし分かるならば、計画が利害関係者の満足につながっていることを確認するための計画を見直す。
- 計画に基づいて実行され目的が充たされていることを検証するために監査を計画し実施する。
保証の原則を適用する組織では、マネジャーは次のような行動を起こす。
- 組織が充たすべき義務を負っている要求事項をを理解している。
- これらの要求事項を満たすための計画の複雑さを理解し、もしこの計画にしたがって実行すれば要求事項を満たすアウトプットを提供されることを確信している。
- 計画を実施する際に遭遇するリスクに基づいて必要となる保証レベルを決定する。
- 計画が守られているという客観的な証拠を集める。
- 要求事項が満たされているという客観的な証拠を集める。
コントロール
成果の水準を勝ち取り維持するためには、業務作業が制御下に置かれている必要がある。この状況がおきるのは、業務に責任を有する者が水準を意識しているとともに。組織の成果にばらつきを生む原因となっている変動要因を制御することができる場合にのみである。
制御プロセスは、次のように省略される一連の一般的なステップから成りなっている。
- 尺度と目標値の単位の角度から制御されなければならない特性のための品質目標を決定する。
- 測定単位に換算された特性を測定する感知装置を設置する。
- 測定を実施し、目標と実際の性能を比較する。
- (目標との)違いに基づいて行動する。
この一連のステップは、目標が設定されたどのようなレベルでも適用することができる。
コントロールの原則を適用する組織では、人々は次のように行動する。
- 制御できない状態で生じた結果には責任はない。
- 利害関係者のニーズを満たすために、組織にとって何が重要なのかに基づいて(目標を)制御しなければならないものは何かを決める。
- 制御されねばならないパラメータに関して適切な測定単位を作り上げるか選択する。
- 組織の目標と整合性があるパフォーマンスあるいは目標値の水準レベルを設定するか選択して、その上でと作業が始まる前に、関係者にそのような水準を伝達する。
- 重要性に応じて特性が決められる以前の、あるいはその間に、またはその後に、特性を測定することができる感知装置を作り上げるか選択する。
- 必要な測定を行うために必要な資源を活用する。
- 計画的な測定を実施し、検出された潜在的または実際の性能をある段階で比較する。その段階は、潜在的に、もしくは検出された実際のバラツキの修正が経済的であるプロセスである。
- 測定の結果が、必要なアクションをとるための緊急に決定するできるように適切な形で組織の適切なレベルに伝達されることを確実とする。
- 報告された結果の妥当性を検証し、さらに経済的、統計的有意性を評価し、アクションが実行される前に水準からの変動の事実上の原因を見つけ出す。
- アクションの代替案を評価し、決定が、制御下にある特定のプロセスの結果に対して責任を持っている人々が適時に行われるように(業務プロセスを)確定する。
- 水準に沿った性能をもたらすために合意された行動を適切なタイミングで起こすように動機づけられている。
- 実行した操作によって望ましい結果を生み、性能が正常に戻ったことを確認するように動機づけられている。
(ISO9000に関する英国CQIの意見具申の内容は、以上で終わります。この提案は、TC176委員会の秘書的役割を果たしているBSIを通じて委員会に提出されるようです。CQI自身も10月に開催される北京会議で説明をすることになっている。米国からはこのような具体的な提案はまだされていません。ただ、”高位の規格構成”については、8月に会議が開催され討議されそうです。結果は、まだ報告されていません。規格の策定にかかわっている米国人は、大幅な変更がされることはなかろうという悲観的な見方をブログで述べています。TC176委員会のメンバー会員の多くが保守的な考えを持ってるのがその根拠にしています。
一方、英国CQIが作成した”Position Paper on the Future of the ISO9000 family Standards”に参画したスコットランド人は、これを押し進めたいと強い意思を示していました。現在のISO9000 シリーズ規格のどこがどのようにおかしいかを指摘した上で新しい規格文言を提案しています。その主要な要素は、このブログに掲載したものと同じです。その中から、重要で興味ある文章の翻訳をするつもりです。ただ、少々疲れたので休ませて下さい。)




