顧客志向

2011/06/21

Hierarchy of Customer Satisfaction Needs

Image by gumption via Flickr

 



  

5.2 顧客志向

経営者のトップは、顧客が求めている製品、およびそれに付随するサービスの品質が何かを明確にし、これらの要求内容を満たし、顧客の満足を向上させる目的を持たねばならない。

この要求事項は、具体的な活動の手順を求めていない。顧客志向の経営姿勢を宣言すればよいだけである。品質マニュアルの文言も規格から大幅に変える必要はないが、具体的な行動を記述した事例を下に示す。自社の顧客と社内実態を反映した文言を作成すればよい。

 

経営責任者のトップは、当該品質マニュアルに記載されている「顧客関連のプロセス」を通じて顧客の要求事項を明確にすることに努め、顧客要求事項の充足が定常的に行われるために必要なる環境を確保する。顧客満足を定期的に評価することにより、顧客満足を高め最高の満足に達するべく製品品質のみならず提供するサービスの質を含めた業務のプロセスを継続的に改善する。そのために、経営責任者のトップは、当該品質マニュアルの次項に示すように品質方針、品質目標および目標達成のための計画を策定し、レビューする。

顧客が何を必要としているかということを考えないで経営してきた企業はまずないだろう。顧客と対話する、市場動向を調べる、経済指標を含め業界情報を入手して分析・研究するなどの努力を重ねてきたことだろう。だが、「供給者(作り手側)の論理」から顧客志向に切り替えていない経営者がいることも確かである。バブル経済が破たんし日本経済が不況に入っていることが明確になっているときでさえ、小規模企業の経営者が「製品の価格は私が決める」と言い放ったことはいまだに忘れられない。需要が供給能力を超えていた時代はすでに終わっている。だから供給者の論理で経営することはいまや通用しない。海外の供給者が参入した結果供給過剰な状況が厳然生まれた。このようなオーバーサプライの状況では何がなんでも顧客志向の経営に切り替えざるを得ない。中小企業の経営者にとっていまもっとも必要なのは、現状認識と意識変革かもしれない。

東日本大震災と福島第一原発事故が日本経済にあたえる影響は計り知れない。なぜならば、日本人の意識が大きく変化したからだ。すなわち、モノへの執着心から安全・安心、環境や地域社会とのつながりを大切にする意識が強くなっている。言い換えれば、モノ作り中心の経済からサービス産業中心の経済への転換が促進するとも言える。ただし、もしも移民政策を変換し海外からの移民を受け入れなければ、これも実現不可能で少子高齢化によって日本国内の経済は次第に減速し縮小していくだろう。したがって、海外市場での発展しか望めない。すでにこの路線で活躍する企業が出現している。すなわち、日本国内の顧客とは異なるニーズと期待を持つ海外顧客にいかに答えられるかが問われ、成功の可否が決まる時代に突入している。

国際規格ISO9001:2008は、顧客志向のマネジメント・モデルを採用していることはすでに述べた。単に顧客が求める製品やサービスの内容を決め、その実現するだけでは顧客満足の向上は困難だという認識がある。なぜならば顧客のニーズや期待は常に変化し、しかもその変化のスピードが速くなっているのが現状であるからだ。規格は、顧客の変化を確実に捉えるための仕組みを「7.2.1項 製品に関連する要求事項の明確化」とともに「8.2.1項 顧客満足の測定」で提示している。さらに、顧客のニーズと期待を把握する手段として「7.2.3項 顧客とのコミュニケーション」に含まれる「顧客が明示していない要求事項」や「製品の苦情」も考慮に入れることが必要になる。これで分かるように顧客志向のマネージメントが実行できるような仕組みが規格にはめ込まれている。どのように活用するかは経営者次第である。

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